セーブライオンズの帽子2
おじさんに手を引かれ近所のスーパーに向かいました。
そのスーパーは2階建てで、一階が食品売り場2階にちょっとした生活品や雑貨などが置いてあります。
帽子売り場を見つけておじさんは「ほら、どの帽子がいい?」
ゆうすけ君にかりたセーブライオンズの帽子がない。ゆうすけ君にかりたのはセーブライオンズの帽子なんや。
「じゃあ代わりにこれおじさんが買ったるから、ゆうすけ君に代わりにこれ買って持っていき」
おじさんがそう言いました。
そして代わりに白い帽子を買ってくれたのです。
おじさんありがとう。
そう言って店を出た時、洋君が僕の耳元でこういいます。
「ケンちゃん逃げよう。」
なんで?
「いいから早く!」
洋君は僕の手を握り急に走り出しました。
おじさんが遠くから「まって。お菓子買ってあげるから戻っておいで。」
洋君なんなん?なんでにげるんや。
「いいから。速く走って」
結局ねむの木橋まで走って到着した頃、洋君は息を切らしながら僕にこう言いました。
「ケンちゃん。あの人についていったらあかん。俺思い出したんや。交番に貼ってる似顔絵を」
なにそれ?
「見たことないんか?最近カマを持ったおじさんが子供たちを追いかけてくるって。交番に貼ってあったんや。その似顔絵があのおじさんそっくりなんや。」
洋君は交番で見た似顔絵のおじさんだと気が付いて逃げ出したんです。
もしあの時洋君が気が付かなければあの後どうなっていたのでしょうか。
それ以来知らないおじさんにはついていかないと心から思いました。
終わり