スライド式2
すると次の瞬間ものすごいスピードで黒い車が僕たちを追い抜いていきます。
そして僕たちの前で急ブレーキをし、道をふさぎます。
車から見るからに怖いお兄さん二人がおりてきて。
こちらに歩いてきます。
やばい。
何もしていないのに何で??
友達の一人が、「鍵を閉めろ」
運転席にいた僕は慌てて鍵を閉めました。
すると怖いお兄さんが運転席にいる僕に近づいてきたのです。
「降りてこい!」
何もしていないのにお兄さんはすごく怒っています。
慌てて車を前に進めようとしますが、道は黒い車にふさがれています。
絶体絶命です。
「早く降りてこい!」
少しだけ空いた窓からお兄さんの手がスネークのように入ってきます。
友達が「窓を閉めろ!」
慌てて手動式のドアを閉めようとしますが、お兄さんの手で押さえられています。
「早く出てこい!」
窓ガラスをドンドンたたいて叫んでいます。
すると次の瞬間お兄さんの手が車内の鍵に。
鍵をあけられてしまいました。
車内のドアノブを必死に押さえます。
するとお兄さんがドアノブを見て、「あれ?カチャカチャ」
「カチャカチャ」
「ドアノブないやんけ!」
そうです。この車は珍しく運転席のドアはスライド式なんです。
なので、ドアノブがあるはずの部分にない。
思わず吹き出してしまった僕を見てお兄さんの顔は真っ赤にそまり。
「このやろう!バカにしやがって!」
そんな!バカになんかしてないですよ!
すると後ろからパトカーがやってきました。
お兄さんたちは慌てて逃げていき、何事もなく助かりました。
苦い夏の思い出です。
みなさんあおり運転には気を付けてください。